受験百景(予備校講師のブログ)

「受験」や「入試問題」に関係する話、日々の雑感を様々な視点から書きます。備忘録も兼ねていますので、くだらない話もあるかもしれません。

185系が普通列車として運用されていた頃

 

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高輪ゲートウェイ駅にて

 

 

短い昔話です。

 

代々木ゼミナール大船校(湘南キャンパス)に通っていました。

 

大船駅の東口を出ます。直進すると代々木ゼミナールの校舎があります。

 

A館(駅から遠い方)とB館(駅から近い方)に分かれています。

 

「大船に建物2つも校舎を作るなんてどうかしている」と思いましたが、新宿に26階建ての校舎を作ったことを考えると、何もおかしくないかもしれません。

 

その帰り、大船駅から「普通・伊東行き」の東海道線に乗ることが多くありました。

 

当時は、なんと185系普通列車として使われていました。

普通列車としての運用は2013年3月15日に終了しています。)

 

そんな185系も2021年春で引退です。

 

 

 

興味があれば、「鉄道」に関する過去の記事もご覧ください。

 

jukenn.hatenablog.jp

 

jukenn.hatenablog.jp

 

 

天の川銀河に存在する宇宙文明の数

 

地球

 

 

 

東京大学教養学部の講義で印象に残っているものがあります。

 

蜂巣泉教授の「宇宙科学」という講義です。

 

この中で扱った「ドレイクの式」が特に記憶に残っています。

 

概略だけ紹介します。

 

われわれの銀河系(天の川銀河)に存在する宇宙文明の数  N を予測する式で、以下の通りです。

 

 N=R_* \cdot f_p \cdot n_e \cdot f_l \cdot f_i \cdot f_c \cdot L

 

 R_*:銀河系において1年あたり、新しい恒星が生まれる数。*はstarを表す。

 

 f_p:恒星が太陽系のような惑星系を持つ割合。pはplanetの頭文字。

 

 n_e:ひとつの恒星あたり、地球のように生命発生にとって都合の良い条件を備えた惑星の数。eはearthの頭文字。

 

 f_l:生命の発生に適した条件を持つひとつの惑星あたり、生命が発生する確率。lはlifeの頭文字。

 

 f_i:生命が発生した場合、その生命が進化して、知的生命になることができる確率。iはintelligenceの頭文字。

 

 f_c:知的生命が、我々地球人のように技術文明をつくり上げることのできる確率。cはcultureの頭文字。

 

 L:文明社会の持続する時間(年数)

 

各変数に適切な数値を代入することで、 N を求めることができます。

 

例えば、

 R_*=10

 f_p=0.1

 n_e=1

 f_l=1

 f_i=0.1

 f_c=0.1

 L=100

とすると、

 N=10 \times 0.1 \times 1 \times 1 \times 0.1 \times 0.1 \times 100=1 

となり、天の川銀河に存在する宇宙文明の数は1個(地球だけ)という結果を得ます。

 

これは一例ですが、各変数の値をより正確に推定することで、 N の値が変わります。

 

 

 

 

 

さて、この講義を担当していた蜂巣泉教授がちょうど今年に東大を退官されたようです。東大の教養学部報(東大教養学部の新聞のようなもの)に掲載されてました。

www.c.u-tokyo.ac.jp

 

 

 

この教養学部報は非常に面白く、毎回楽しみにしていたことが懐かしいです。

 

特に優れた記事が精選集として書籍になっています。

興味のある方は読んでみてください。

 

 

 

 

特急ロマンスカーで通勤 ー 「密」を回避せよ

 

ロマンスカー

 

 

小田急特急ロマンスカーさがみ84号新宿行きです。

 

5号車は誰も乗っていないので、貸切状態です。

 

急行や快速急行は7月になって混雑し始めたので、新型コロナ対策としては非常に有効でしょうか。

 

6月までは「新型コロナウイルスに関して、不安を感じられるお客様は座席を移動しても構いません。」という趣旨の車内放送がありましたが、7月になってからはなくなったようです。(咳をしている人などがいたら車両を移れ、ということです)

 

4号車には何人も乗客がいました。

 

詳しい仕組みは分かりませんが、券売機で特急券を購入すると特定の号車に固まるようです。しかも乗客がまばらでも、座席が前後していたり、あまり配慮のない指定の仕方になっています。

 

これを回避するには、ロマンスカー@clubなどを利用して、座席を指定します。

(発車時刻の45分前まで座席の指定が可能、その後は号車の指定のみ可能)

 

www.web-odakyu.com

 

 

 

しかし、自分が選んだ座席の前後に券売機で購入した人が来るかもしれません。

 

そこで、券売機の乗客がどの号車になるのか(ならないのか)を把握しておく必要があります。

 

さがみ84号では1~4号車になることが多いようです(経験則。購入する駅によっても違うのか?)

 

そういうめんどくさいことが嫌な人は、指定された座席を無視して空いている座席に移れば良いです。指定席といいながら、座席の移動が認められています。

 

小田原方面に向かうホームウェイはほとんど満席なので、常に「密」になってしまいます。

 

以上、とりとめのない雑談でした。

 

 

東京女子医科大学、夏のボーナス0円!!

 

看護師



 

 

やっぱりね、という印象です。

 

東京女子医科大学の夏期賞与が0円になったことが話題になっています。

 

看護師の退職希望が法人全体の2割にあたる400人を超える事態になっているようです。

 

大学側は「コロナ感染の影響で収支は昨年同時期対比で30億円のマイナス。支給する要素が全くない。やむを得ない措置だと考えている」と説明しています。

 

東京女子医科大学労働組合は他大学が昇給を行っている例を挙げています。

 

東京医科大学

夏期一時金は昨年と同じ。コロナ特別手当を医師・看護師・関連職種に対し月2万円を4月から支給。※非正規も対象

杏林大学

夏期一時金を0.03ヶ月アップ。コロナ手当として1日1500円を2月に遡って支給。

慶應義塾大学

4月の給与から診療特別手当月5000円を支給。

 

 

 

東京女子医科大学への抗議が全国から集まっているようです。

 

詳細はこちらからご覧ください。

東京女子医科大学労働組合webページ:http://joidairouso.com/

 

 

東京女子医科大学は以前から様々な問題を抱えています。

このブログでもいくつか取り上げました。

 

jukenn.hatenablog.jp

 

jukenn.hatenablog.jp

 

 

 

 

入試がいい加減な学校は総じてどこかおかしいです。

 

受験することはあまりオススメしません。

 

「医学部ならどこでもいい」という受験生(女子)にとっては穴場になるでしょうか。

 

 

 

灘中学校の学習進度(数学)

 

灘中学校は、日本の中学校で「数学の学習進度」が一番早いと言われています。

 

今回は、灘中学校の実際の期末試験の問題を資料として、どの時期に何を学習しているのかを見てみます。

 

期末試験の問題は、「灘中の数学学習法」(NHK出版)に掲載されているものを参考にしています。実際の問題を見たい方は、この本を読んでみてください。

 

 

 

 

各試験問題の出題内容は次のようになります。

 

中学1年生(1学期期末)

連立方程式(計算と文章題、難関高校入試問題レベル)

多項式の計算

・1次不等式(連立不等式、文章題も含む)

 

中学1年生(2学期期末)

2次方程式(解と係数の関係など一部数学Ⅱの内容も含む)

・1次関数

 

中学1年生(3学期期末)

・2次関数(中学内容、難関高校入試問題レベル)

 

中学2年生(1学期期末)

・中学内容の幾何

平方根の計算(二重根号も含む)

・展開、因数分解

・整式の割り算(数学Ⅱの内容)

・絶対値

 

中学2年生(2学期期末)

・2次関数(数学Ⅰの内容、2変数関数なども含む)

・幾何(数学Aの内容)

 

中学2年生(3学期期末)

・図形と計量(数学Ⅰの内容)

・幾何(数学Aの内容)

 

 中学3年生(1学期期末)

・場合の数(数学Aの内容)

・数列(数学Bの内容、数学的帰納法も含む)

・式と証明(数学Ⅱの内容、二項定理)

・2次関数(数学Ⅰの内容)

 

中学3年生(2学期期末) 

・確率(数学Aの内容)

・数列(数学Bの内容、確率漸化式)

 

中学3年生(3学期期末) 

・指数関数と対数関数(数学Ⅱの内容)

複素数と方程式(数学Ⅱの内容)

・確率(数学Aの内容)

 

数学ⅡBまでの内容で、図形と方程式、三角関数微積分、ベクトル以外は終了するというペースです。

 

公立中学校には大差をつけていますし、一般的な私立中学校に比べても早い進度です。

 

(そもそも、灘中の生徒は学校の進度など関係なく、勝手に勉強している人が多いと聞きますし、実際はこれ以上に進んでいるのでしょう。)

 

大受験生や医学部受験生は、こういう人たちがライバルにいるのだと知った上で勉強していくと良いでしょう。

 

敵を知ることは大切です。

 

 

共通テストは「第1日程」で受験するべき(?)

 

2021年度(令和3年度)大学入学者選抜実施要項が公表され、共通テストの日程が明らかになりました。

 

www.mext.go.jp

 

 

 

共通テストの日程は、次のようになります。

 

第1日程:2021年1月16日・17日
第2日程:2021年1月30日・31日
特例追試験:2021年2月13日・14日

 

第2日程は、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う学業の遅れを理由に選択することができます。(浪人生は対象外。全都道府県に試験場を設置。)

 

受験生は、「第1日程」と「第2日程」のどちらかを選択して共通テストを受験することになります。

 

どちらが良いのでしょうか?

 

それぞれのメリット・デメリットを考えてみます。

 

●第1日程のメリット
・早く共通テストを終えることで、国公立2次試験や私大入試の対策に時間をかけることができる

 

●第1日程のデメリット
・国語と数学の記述式問題導入が見送られた後にプレテストやサンプルが公開されていない、また過去問が存在しないため、共通テストの難易度や傾向が不明な状態で受験することになる

 

●第2日程のメリット
・第1日程の問題を見ることによって、共通テストの難易度や傾向を把握した状態で受験することができる(第1日程の問題をもとに、第2日程の対策を行う予備校や塾も出てくるのか?)

 

●第2日程のデメリット
・共通テストの対策に2週間多くの時間を割く分、国公立2次試験や私大入試の対策を行う時間が減ってしまう。

 

共通テストよりも2次試験が重視される大学を志望する場合は「第1日程」、共通テストの点数で合否が決まる大学を志望する場合は「第2日程」が良いということになるでしょう。

 

例えば、東大を志望する場合は確実に「第1日程」を推奨します。

 

共通テスト後にどれだけ2次試験の対策を行うことができるかで、大きく点数が変わります。2週間も少なくなれば不利になるのは間違いありません。

 

「第1日程」の1週間後(1/23・24)には「東大本番レベル模試(東進)」が実施される予定です。
※東大本番レベル模試の受験を推奨しているわけではありません。例として考えているだけです。

 

1月23日・24日:東大本番レベル模試を受験

1月30日・31日:共通テスト受験

 

という流れは、受験生にはかなり大変だと思われます。

 

さっさと共通テストのことは忘れて、2次試験に集中したいところです。

 

2次試験の点数次第でいくらでも逆転できます。
(共通テストで高得点を取っても、2次試験で失敗すれば不合格です)


一方で、共通テストの点数で合否が決まる大学を志望する場合は「第2日程」が良いでしょう。

 

例えば、茨城大学理学部は、共通テスト1150点、2次試験250点、調査書50点の合計1450点で合否が決まります。(2次試験は面接のみ)

 

このような大学を受験する場合は2次試験の対策を気にする必要がないので、「第2日程」で受験するべきです。

 

(私立大学を併願する場合はもう少し考える必要がありますが…)

 

受験生は、基本的に「第1日程」で受験することになるでしょう。

 

不安な受験生は、予備校や学校の先生など、信頼できる大人に相談して決定しましょう。

 

いずれにしても、共通テストにも2次試験にも通用するような「真の学力」を養成しておくことが大切です。

 

共通テストに惑わされず、日々の学習を着実に進めましょう。

 

 

 

 

数学の「真の学力」をつける方法は以下の記事を参考にしてみてください。

jukenn.hatenablog.jp

 

【定義と定理シリーズ】三角関数の加法定理 ― 1999年東大

 

 

新しいシリーズを始めます。

 

高校入試や大学入試では、教科書に掲載されている定義や用語を書かせる問題や、定理や公式、性質を証明させる問題が出題されることがあります。

 

備忘録も兼ねてこのブログで紹介していきます。

 

【定義と定理シリーズ】と呼ぶことにします。

 

今回は、最も有名な問題です。

 

出典:1999年 東大 

内容:三角関数の加法定理 


(1) 一般角  \theta に対して  \sin \theta , \cos \theta の定義を述べよ.

(2) (1)で述べた定義にもとづき,一般角 \alpha , \beta に対して

 \sin (\alpha + \beta) = \sin \alpha \cos \beta + \cos \alpha \sin \beta

 \cos (\alpha + \beta) = \cos \alpha \cos \beta - \sin \alpha \sin \beta

を証明せよ.