受験百景(予備校講師のブログ)

「受験」や「入試問題」に関係する話、日々の雑感を様々な視点から書きます。備忘録も兼ねていますので、くだらない話もあるかもしれません。

天の川銀河に存在する宇宙文明の数

 

地球

 

 

 

東京大学教養学部の講義で印象に残っているものがあります。

 

蜂巣泉教授の「宇宙科学」という講義です。

 

この中で扱った「ドレイクの式」が特に記憶に残っています。

 

概略だけ紹介します。

 

われわれの銀河系(天の川銀河)に存在する宇宙文明の数  N を予測する式で、以下の通りです。

 

 N=R_* \cdot f_p \cdot n_e \cdot f_l \cdot f_i \cdot f_c \cdot L

 

 R_*:銀河系において1年あたり、新しい恒星が生まれる数。*はstarを表す。

 

 f_p:恒星が太陽系のような惑星系を持つ割合。pはplanetの頭文字。

 

 n_e:ひとつの恒星あたり、地球のように生命発生にとって都合の良い条件を備えた惑星の数。eはearthの頭文字。

 

 f_l:生命の発生に適した条件を持つひとつの惑星あたり、生命が発生する確率。lはlifeの頭文字。

 

 f_i:生命が発生した場合、その生命が進化して、知的生命になることができる確率。iはintelligenceの頭文字。

 

 f_c:知的生命が、我々地球人のように技術文明をつくり上げることのできる確率。cはcultureの頭文字。

 

 L:文明社会の持続する時間(年数)

 

各変数に適切な数値を代入することで、 N を求めることができます。

 

例えば、

 R_*=10

 f_p=0.1

 n_e=1

 f_l=1

 f_i=0.1

 f_c=0.1

 L=100

とすると、

 N=10 \times 0.1 \times 1 \times 1 \times 0.1 \times 0.1 \times 100=1 

となり、天の川銀河に存在する宇宙文明の数は1個(地球だけ)という結果を得ます。

 

これは一例ですが、各変数の値をより正確に推定することで、 N の値が変わります。

 

 

 

 

 

さて、この講義を担当していた蜂巣泉教授がちょうど今年に東大を退官されたようです。東大の教養学部報(東大教養学部の新聞のようなもの)に掲載されてました。

www.c.u-tokyo.ac.jp

 

 

 

この教養学部報は非常に面白く、毎回楽しみにしていたことが懐かしいです。

 

特に優れた記事が精選集として書籍になっています。

興味のある方は読んでみてください。