受験百景(予備校講師のブログ)

「受験」や「入試問題」に関係する話、日々の雑感を様々な視点から書きます。備忘録も兼ねていますので、くだらない話もあるかもしれません。

灘中学校の学習進度(数学)

 

灘中学校は、日本の中学校で「数学の学習進度」が一番早いと言われています。

 

今回は、灘中学校の実際の期末試験の問題を資料として、どの時期に何を学習しているのかを見てみます。

 

期末試験の問題は、「灘中の数学学習法」(NHK出版)に掲載されているものを参考にしています。実際の問題を見たい方は、この本を読んでみてください。

 

 

 

 

各試験問題の出題内容は次のようになります。

 

中学1年生(1学期期末)

連立方程式(計算と文章題、難関高校入試問題レベル)

多項式の計算

・1次不等式(連立不等式、文章題も含む)

 

中学1年生(2学期期末)

2次方程式(解と係数の関係など一部数学Ⅱの内容も含む)

・1次関数

 

中学1年生(3学期期末)

・2次関数(中学内容、難関高校入試問題レベル)

 

中学2年生(1学期期末)

・中学内容の幾何

平方根の計算(二重根号も含む)

・展開、因数分解

・整式の割り算(数学Ⅱの内容)

・絶対値

 

中学2年生(2学期期末)

・2次関数(数学Ⅰの内容、2変数関数なども含む)

・幾何(数学Aの内容)

 

中学2年生(3学期期末)

・図形と計量(数学Ⅰの内容)

・幾何(数学Aの内容)

 

 中学3年生(1学期期末)

・場合の数(数学Aの内容)

・数列(数学Bの内容、数学的帰納法も含む)

・式と証明(数学Ⅱの内容、二項定理)

・2次関数(数学Ⅰの内容)

 

中学3年生(2学期期末) 

・確率(数学Aの内容)

・数列(数学Bの内容、確率漸化式)

 

中学3年生(3学期期末) 

・指数関数と対数関数(数学Ⅱの内容)

複素数と方程式(数学Ⅱの内容)

・確率(数学Aの内容)

 

数学ⅡBまでの内容で、図形と方程式、三角関数微積分、ベクトル以外は終了するというペースです。

 

公立中学校には大差をつけていますし、一般的な私立中学校に比べても早い進度です。

 

(そもそも、灘中の生徒は学校の進度など関係なく、勝手に勉強している人が多いと聞きますし、実際はこれ以上に進んでいるのでしょう。)

 

大受験生や医学部受験生は、こういう人たちがライバルにいるのだと知った上で勉強していくと良いでしょう。

 

敵を知ることは大切です。