受験百景(予備校講師のブログ)

「受験」や「入試問題」に関係する話、日々の雑感を様々な視点から書きます。備忘録も兼ねていますので、くだらない話もあるかもしれません。

入試問題鑑賞「水戸黄門」

 

 

水戸黄門

 

 

 

 

 ※「入試問題鑑賞」では、解答を出すことではなく見た目を楽しむことに重点を置いて入試問題を紹介しています。

 

2011年 茨城大学・理学部 数学 の問題です。

  


水戸黄門,助さん,格さん,弥七,お銀,八兵衛の6人が左から右へこの順番で1列に並んで座っている。6人が席を入れ換える。どの並びかたも同様の確からしさで起こるものとする。このとき以下となる確率を求めよ。

 

(1) 助さんと格さんが両端に座る。

(2) 水戸黄門とお銀が隣どうしに座る。

(3) 最初と同じ席に座る人がちょうど3人。

(4) 最初と同じ席に座る人がいない。


 

 

水戸黄門」を題材にした問題です。面白い。

 

数学的には「完全順列(攪乱順列)」をテーマとしています。

 

(4)のように、全員がバラバラになる順列のことです。

 

「2004年東工大・後期」や「2015年兵庫医科大」でこれを一般化したものが出題されているので、いつか取り上げたいです。(備忘録)

 

 

学校のセンスは細部に宿る(筑波大附属高校)

 

「筑波大附属高校」という学校の入試問題を見ていて面白いものを見つけました。

 

冊子の透かし防止の模様です。

 

「透かし防止」をしておかないと、問題冊子が配られてから試験開始までの数分の間に、最初のページの内容が見えてしまいます。

 

うっすらと一部が見えるだけでも、頭のいい受験生は解き進めることができます。

 

そこで、問題作成者側は「透かし防止」をするのです。

 

例えば、東大は表紙の裏を灰色にしています。

 

筑波大附属高校は次のような模様を印刷して、透かしを防いでいました。

(イメージを再現したもので実物とは異なります。)

 

面白い工夫です。こういう小さいところにも学校のセンスが現れます。

 

 

筑波大附属の透かし防止

 

 

 

「筑波大附属高校」に関連した記事を以前に書きました。

興味があったら、読んでみてください。

 

jukenn.hatenablog.jp

 

 

 

『ファクトフルネス』ー 受験生版(後編)

 

前編の続きです。

 

jukenn.hatenablog.jp

 

 

 

 

 

6.パターン化本能(「ひとつの例がすべてに当てはまる」という思い込み)

 

受験生は、ひとりの意見を鵜呑みにしてしまうことが多いです。

 

「合格体験記に書いてあったから」「先生が言っていたから」「親に薦められたから」というような理由で、問題集を選ぶこともあるようです。

 

「その人には合っていた勉強法なのかもしれない、自分にはどうだろう」という視点を持つことが大切です。

 

書籍や人からアドバイスをもらうときは、必ず複数の意見を集めるようにしましょう。

 

そして、よく検討しましょう。

 

 

 

7.宿命本能(「すべてはあらかじめ決まっている」という思い込み)

 

「自分は高3になってから始めたからもう間に合わない、浪人しようかな…」

 

このように思っている受験生も多く存在します。

 

志望校にもよりますが、まともに勝負する必要がないときもあるのです。

 

よくある話ですが、受験予定校に新しい入試方式が新設されたことに気づいていない受験生もいます。

 

過去の受験者の常識を適用すると合格は難しくても、今年は違うかもしれないのです。

 

もちろん、入試制度など外的な要因に頼るのではなく、自分の努力や工夫次第で何とかなる場合がほとんどです。

 

勝負する前から、自分は負けると決めつけるの非常にもったいないことです。

 

 

 

 

 

8.単純化本能(「世界はひとつの切り口で理解できる」という思い込み)

 

「〇〇という問題集をやっていれば合格できる」「〇〇という塾に行けばいい」のように、深く考えずに勉強に取り組んでいる受験生も多いです。

 

受験はそこまで単純ではありません。

 

「〇〇という問題集をやっていれば合格できる」ではなく、「有名な〇〇という問題集を基幹にしながら、自分は〇〇が苦手だから〇〇という問題集で補強しよう。その上で、実力をチェックするために、〇〇も活用しよう」というように複合的に考えることが欠かせません。

 

上位層の人たちは、自然とできています。

 

 


9.犯人捜し本能(「誰かを責めれば物事が解決する」という思い込み)

 

「自分の通っている学校は進学校じゃないから…」「親の頭が良くないから…」「担当の先生がハズレだから…」のように誰か他者のせいにする受験生も数多くいます。

 

誰かを責めたところであなたが合格するわけではないのです。

 

環境に文句を言う前に、自分の出来ることを増やしていくべきです。

 

優秀な人はどんな環境でも、その中で最善を尽くそうと、頭を働かせています。

 

 

 

10.焦り本能(「いますぐ手を打たないと大変なことになる」という思い込み)

 

「模試がE判定だった、すぐに何とかしなければ」のように焦ってしまう受験生がいます。

 

まずは、深呼吸しましょう。

 

すぐに何かをやって、急にE判定がA判定になることはありません。

 

それが出来る人は最初からA判定です。

 

返却された成績をよく分析することが大切です。そして、日々の学習を補正するのです。

 

数日ではなく数ヶ月という長期的な視野で勉強を進めているわけですから、1回の模試で抜本的に変える必要はありません。

 

落ち着いて、じっくりと目の前の勉強に取り組みましょう。

 

 

 

 

《おまけ》

『FACTFULNESS』で提示されているクイズに挑戦できるwebサイトがあるので、載せておきます。

 

factquiz.chibicode.com

 

 

 

 

『ファクトフルネス』ー 受験生版(前編)

 

ファクトフルネス表紙


 

 

 

『FACTFULNESS(ファクトフルネス)』(日経BPという本があります。

 

 

貧困、人口、教育、エネルギーなど世界の数多くの問題について、一般人も専門家も勘違いをしていることを紹介し、事実に基づく正しい世界の見方や知識を提示していく、という内容の本です。

 

例えば、次のような問いが載っています。

 

世界で最も多くの人が住んでいるのはどこでしょう?
A 低所得国
B 中所得国
C 高所得国

 

 

 

 

 

 

 

 

 

答えはAです。

 

発展途上国と先進国を頭に思い浮かべてください。世界では多くの人が発展途上国で貧しい生活を送り、先進国で裕福な生活をしているのは一握りの限られた人です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と考えたいところですが、以上の類推は誤りです。

 

本当の答えはBです。

 

世界は発展途上国と先進国の2つに分かれているわけではないのです。大多数の人はその中間にあたる生活を送っているのです。

 

世界が発展途上国と先進国に分かれていたのは1965年頃の話であり、2020年現在には世界は大きく変わっているのです。所得や生活水準は大きく改善しています。

 

学校で、世界には「先進国」と「発展途上国」があります、と教わると何となく納得して、そうなのかぁと思ってしまいます。でも、その知識は50年以上も前のものです。

 

こうなってしまう原因を、人間には「分断本能」があるからだと説明しています。

 

このように人間には本能(思い込み)があり、それに引きずられて誤った方向に進まないように警鐘を鳴らしています。

 

事前にどのような思い込みに陥りやすいかを知っておくことによって、それを防止できるのです。

 

 

 

『ファクトフルネス』では以下の10個の人間の本能(思い込み)が紹介されています。

 

1.分断本能 …「世界は分断されている」という思い込み

2.ネガティブ本能 …「世界はどんどん悪くなっている」という思い込み

3.直線本能 …「世界の人口がひたすら増え続ける」という思い込み

4.恐怖本能 … 危険でないことを、恐ろしいと考えてしまう思い込み

5.過大視本能 …「目の前の数字がいちばん重要だ」という思い込み

6.パターン化本能 …「ひとつの例がすべてに当てはまる」という思い込み

7.宿命本能 …「すべてはあらかじめ決まっている」という思い込み

8.純化本能 …「世界はひとつの切り口で理解できる」という思い込み

9.犯人捜し本能 …「誰かを責めれば物事が解決する」という思い込み

10.焦り本能 …「いますぐ手を打たないと大変なことになる」という思い込み

 

 

 

 

 


さて、ここからが本題です。

 

「これは受験勉強にも生かせる」とこの本を読みながら感じました。

 

少し改変をすれば、受験勉強をしている際の思い込みに対して、注意を与えるものになるのです。

 

1つ1つの本能(思い込み)を受験生向けに読み替えていきます。

 

受験勉強の参考にしてください。

 

 

 

1.分断本能(「世界は分断されている」という思い込み)

 

(ここでは全国上位1桁のような特殊な受験生ではなく、偏差値40~60程度の一般的な受験生について考えます。)

 

自分よりも成績がかなり上位の人がたくさんいる、そして下位の人もたくさんいる、と受験生は思い込んでいます。

 

しかし、実際には自分と同程度の成績の人がたくさんいるのです。

 

模試での分布を見るとわかるでしょう。上位と下位は少なく、中間層が最も多いのです。

 

自分より成績の低い人を見て安心感を得ようとする受験生もいます。

 

偏差値80を超えているような人と同じことをしようとする受験生もいます。

(世の中にある勉強法の大半は東大生などの勉強ができる人が書いているので仕方ない部分もありますが)

 

やるべきことは違うのです。中間層から抜け出して上位層に入る勉強をしなければならないのです。

 

偏差値75を偏差値80にあげる勉強をしても空回りするだけなのです。

 

自分の学力レベルの現状を正しく把握して、その上で何をすべきなのかを考える必要があるのです。

 

 


2.ネガティブ本能(「世界はどんどん悪くなっている」という思い込み)

 

受験生は、自分の状況がどんどん悪くなっていると思いがちです。

 

模試はずっとE判定だ。偏差値がなかなか上がらない。

 

このような受験生がたくさんいます。

 

しかし、その捉え方はあまり良いとは言えません。

 

「悪い」と「良くなっている」は両立するのです。

 

そして、ゆっくりとした進歩は把握しにくいのです。

 

E判定の中でも偏差値や順位は上がっているかもしれません。

 

総合の偏差値が上がっていなくても、ある科目の偏差値は上がっているかもしれません。

 

数学の偏差値が上がっていなくても、ある大問で満点を取れるようになっているかもしれません。

 

「悪い」という状態の中にも「良くなっている」ことはあるのです。

 

模試が返却されて、「ああ、今回も悪かった…」で終わりにするのではなく、詳細を正しく分析することが大切です。

 

そして「良くなっている」ところを見つけ、自信をつけていくのです。そうすると、成績は上がっていきます。

 

 


3.直線本能(「世界の人口がひたすら増え続ける」という思い込み)

 

受験生は、勉強をすればするほど、成績はどんどん上がっていくと思い込んでいます。

 

実際はそううまくはいきません。急激に上がるときもあれば、下がるときもあるのです。

 

「20点を60点にする勉強」と「60点を100点にする勉強」とは量も質も全く異なります。40点という得点幅は同じですが、その内容は違います。

 

そのことを意識せずに、同じ勉強をしていても、成績は上がっていきません。

 

各個人の状況によりやるべき勉強は異なり、さらに時期や成績変化により、勉強内容や勉強法は変わっていくのです。

 

自分の状況に合った「勉強」を定めるのは簡単ではありません。学校や塾・予備校などの外部の環境も活用しましょう。

 

絶対的に適切な勉強をすることは難しいので、成績には波が生まれます。

 

しかし、長期的に見れば上がっていきます。忍耐強く勉強していくことが大切です。

 

 

 

4.恐怖本能(危険でないことを、恐ろしいと考えてしまう思い込み)


これはここまでの内容と少し重複します。

 

志望校の判定や偏差値が落ちていることを「恐ろしい」と考えてしまう受験生がいます。

 

「恐ろしい」とパニックになるのではなく、正しく分析することが大切なのです。

 

人間は、悪いことや恐ろしいことに、自然と目がいってしまいます。

 

これは本能です。本能であると分かっているだけでも、正しい方向に向かうことができるでしょう。

 

 

 

5.過大視本能(「目の前の数字がいちばん重要だ」という思い込み)


受験生は目の前の数字にとらわれがちです。

 

模試の成績表が返却されると、「偏差値がいくつ」「順位がどのくらい」ということを気にし過ぎてしまう人がいます。

 

しかし、模試はいま受けたわけではありません。その数字は1ヶ月以上も前の自分の姿を表した数字なのです。

 

「目の前の数字」はもちろん大切な指標になります。

 

その数字はあくまでも参考です。それも活用しながら、現時点での自分の成果点や課題点が何なのかを探ることが大切なのです。

 

模試を受けてから、成績が返却されるまでの期間で大きく変化しているはずです。

 

 

 

 

(後編へ続く)

 

 

 

 

 

河合塾、5月末まで映像授業に!(首都圏)

 

本日、河合塾から重大な発表がありました。

 

先日、駿台予備学校からも同様の発表がありましたが、少し対応が異なるようです。

jukenn.hatenablog.jp

 

 

以下に発表内容を引用します。

 


(2020年5月2日 12:30発表)

緊急事態宣言が発令されていることから塾生の感染リスクを避けるため、5月末までは以下のようにいたします。
※ご入塾のための相談や受付は電話やWEBにて承っております。

【大学受験科(高卒生)・高校グリーンコース(現役生)・私立中高一貫コース(中3生)の皆さんへ】
緊急事態宣言下で全国の都道府県の学校が5月末まで休校を延長する予定であることに伴い、全国の河合塾の校舎も5月末までは、引き続き対面授業の代わりに映像授業を提供し、対面授業は6月から開始予定とします。
対面授業開始までの間、河合塾では引き続き、電話やWEBを活用した面談を行い、皆さんの学習、進路に関する不安を解消すべく全力でサポートしてまいります。塾生の皆さんへの講師・チューターからのサポートなどの詳細については、塾生マイページ・連絡メール等にてお伝えします。
なお、5月4日(月)に発表される予定の政府の緊急事態宣言の延長期限によっては、上記の日程を変更することがあります。

また、緊急事態宣言下での塾生の皆さんの学習を支援するため、夏期講習中を「夏期学習強化期間」として設定し、夏期講習講座の中から以下の講座数分を無料で提供する予定です。詳細は、塾生マイページを通じてお知らせいたします。
大学受験科生は、3講座無料
高校3年生は、2講座無料
高校1・2年生は、1講座無料

■授業について
・5月末までの第1講〜第7講の授業につきましては、対面授業に代えて映像授業を順次配信いたします。
※詳細は5月8日(金)午後以降に塾生マイページ等にてあらためてご案内予定です。
※映像授業を担当する講師は、各クラスの授業を担当する講師とは異なります。
※配信する授業は、ライブ配信ではなく、収録した授業を順次配信しますので、皆さんの都合に合わせて受講いただけます。
※映像授業の視聴方法などにつきましては、塾生マイページの「お知らせ」で順次ご案内いたします。
・6月から対面による授業を開始する予定です。
※政府・都道府県の発表により、上記の日程を変更する場合があります。その場合は、あらためて塾生マイページにてご案内いたします。


 

 

 

 

 

 

前期の授業をすべて映像授業にすると決定した駿台予備学校とは異なり、河合塾は5月末まで映像授業にし、6月からは対面授業を再開するようです。

 

また、夏期講習を数講座、無料で提供することも特徴的です。(夏期講習も映像になるのか?)

 

「映像授業が続くのであれば、河合塾をやめる」という人が増えているのでしょうか?

講師が途中で変わる、配付プリントなど必要な教材が届かない、映像の質が悪いなど様々な批判があります。

 

今、授業を再開すれば、駿台などの他塾から多くの受講生が流れてくると予想できます。

(受講生の多くは、対面授業の再開を希望しています)

 

「受講生の希望をかなえてあげること」と「新型コロナウイルスの感染拡大を防止すること」のどちらを優先するのか、どういうバランスをとるのかは非常に難しい問題です。

 

このような状況下で対面授業を再開しないと判断しているのです。お金儲けだけを考えているところとは一線を画します。

 

 

 

駿台、前期すべてが映像授業に!(首都圏)

 

本日、駿台予備学校から重大な発表がありました。

 

以下に発表内容を引用します。

 


【首都圏】駿台2020年度通常授業について(4/29 18:00時点)

2020年度校内生の皆様にご連絡いたします。
前期・1学期の対面授業を5/7から開講として準備を進めてまいりましたが、新型コロナウイルスは依然として終息する傾向が見られません。校内生の健康と安全を最優先に考え、既に配信しております授業も含めて、前期・1学期の授業を映像配信に切り替えて実施させていただきます。
今後は映像授業と共に、全ての校内生に駿台のICTサポートを最大限に活用した「AI最先端学習教材 atama+」を提供し、更には、自宅学習時の疑問点を個別に質問し、解決できる「スポット指導オンラインシステム manabo」によりサポート体制を強化いたします。
詳細は、駿台生マイページにてご確認ください。
なお、授業運営等に変更が生じる場合は、改めて駿台生マイページでお知らせいたします。


 

 

なんと、前期の授業すべてが映像配信になります!

 

 

 

 

 

これは本年度の受験に大きな影響を与えるのではないでしょうか。

 

多くの受験生がわざわざ駿台を選んでいる理由として、「対面授業」があげられます。

 

映像授業中心の塾をあえて選ばないのです。

 

映像授業は相当な力がないと使いこなすことは難しいでしょう。

 

「きれいな教室が用意されて、座っていれば授業が聞ける」ことはないのです。

 

自分で集中できる環境を作る、スケジュール管理をするなど、今までは予備校や塾がやってくれていたことをすべて自分でやる必要があります。

 

そもそも、これらをできない受験生も多いですし、できたとしても余計な労力を使うことになるのです。

 

自習室の利用も禁止されています。

 

自習室と同じだけの環境を自分で作るのはかなり大変です。

 

勉強に割くべき労力(体力や精神力など)をそこに使わざるを得ないのです。

 

だから、並んでまで自習室を使っていたのです。

 

意外と上位の受験生にも影響すると思います。東大受験生でも自習室を使わないと集中して勉強できない人がたくさんいます。

 

早期から勉強していて現段階で十分な実力を備えている人にとっては、イージーな入試になるでしょう。

 

一方で、高3になってから、浪人してから、遅れを取り返そうとしていた人にとっては、相当大変な入試になりそうです。挽回することを可能にする環境が普段より少ないので。

 

今まではお金を払って手に入れていた有利な環境が使えない状況では、意外なライバルが出現するかもしれません。

 

都市圏ではお金を投資してある種の「ドーピング」のように学力を上げていたかもしれません。

 

同じ土俵で、その「ドーピング」なしで戦っていた人たちもいるのです。

 

今年は地方の受験生が難関校に合格しやすくなるでしょう。(出願者数などの条件が同じであれば)

 

都市圏の受験生はお金を払って何とかしていた部分を、自分の力で対応していく必要に迫られています。

 

今の受験生には高いレベルの勉強が求められています。

 

いつもと違う状況においては、真の実力が試されることになります。

 

ある人の言葉を借りれば、「逆境は無能と有能を炙り出す」のです。

 

以上、雑感でした。

 

 

 

入試問題鑑賞「回転寿司」

 

回転寿司

 

 

 ※「入試問題鑑賞」では、解答を出すことではなく見た目を楽しむことに重点を置いて入試問題を紹介しています。

 

2019年 久留米大学(医学部 / 前期)数学 の問題です。

  


次の(  )に適切な解を入れよ。複数の解がある場合は,コンマで区切ってすべての解を記入すること。

 

男子10人と女子5人で回転寿司のお店に行った。お会計の時に,お寿司を食べ終えたお皿の枚数を数えて計算すると,男子10人については平均枚数が9枚,標準偏差 \sqrt{3} 枚であった。また,女子5人については平均枚数が6枚,標準偏差が3枚であった。このとき,男女15人について,お寿司を食べ終えたお皿の平均枚数は( ① )枚,標準偏差は( ② )枚である。ただし,( ② )は小数で表わす必要はない。


 

「回転寿司」を題材にした問題です。

 

医学部はこういう形(数学の本質とは無関係なところ)で奇をてらった出題をしてくることがあります。

 

「回転寿司」を含んだ入試問題が他にあるのか調べてみましたが、いくつかあるようです。

 

 

 

 

2019年 明治大学付属明治中学校 算数の問題です。

 


ある回転寿司店では,いくつかの寿司皿がすでにレーンに出ていて,これに5秒に1皿の割合で寿司皿がレーンに追加されます。A,Bの2つの団体がこのお店でお寿司を食べるとき,レーンの皿がはじめの \dfrac{2}{3}まで減るのに,Aだけだと10分,Bだけだと4分かかります。Aが5皿のお寿司を食べる間にBは8皿のお寿司を食べるとき,次の問いに答えなさい。ただし,AとBはそれぞれ一定の割合でお寿司を食べるものとします。

(1) Aは1分間に何皿のお寿司を食べますか。

(2) 初めにAだけで8分間食べ,次にBだけで食べるとき,レーンの皿がなくなるまでには,Aが食べ始めてから何分何秒かかりますか。


 

 

 

 

 

2013年 浅野中学校 算数の問題です。

 


 ある回転寿司店には,[図3]のような2段式のベルトコンベアがあり,上段には寿司の乗った直径14cmの皿が2cmの間隔をあけて、下段には直径6cmの湯飲み茶わんが2cmの間隔をあけて並んでいます。上段は下段の3倍の速さで同じ方向に回っています。また,皿も湯飲み茶わんも,最初から最後まで1つも取り去られることはないものとします。今,[図4]のように位置Pで上段の皿の左端と下段の湯飲み茶わんの左端が同じ位置に並びました。

 このとき,次の(1),(2)の問いに答えなさい。

 

浅野中学校の回転寿司

 

(1) [図4]のように位置Pで上段の皿と下段の湯飲み茶わんが同じ位置に並んでから,上段の皿の右端が位置Pを60皿分通過するまでに,下段の湯飲み茶わんの右端は位置Pを何個分通過しましたか。

(2) (1)での移動の間に,最初に位置Pにあった上段の皿の左端は,下段の湯飲み茶わんの上を何個完全に追い越しましたか。


 

 

 

 

大学入試の問題でも探してみようと思います。