『ファクトフルネス』ー 受験生版(後編)
前編の続きです。
6.パターン化本能(「ひとつの例がすべてに当てはまる」という思い込み)
受験生は、ひとりの意見を鵜呑みにしてしまうことが多いです。
「合格体験記に書いてあったから」「先生が言っていたから」「親に薦められたから」というような理由で、問題集を選ぶこともあるようです。
「その人には合っていた勉強法なのかもしれない、自分にはどうだろう」という視点を持つことが大切です。
書籍や人からアドバイスをもらうときは、必ず複数の意見を集めるようにしましょう。
そして、よく検討しましょう。
7.宿命本能(「すべてはあらかじめ決まっている」という思い込み)
「自分は高3になってから始めたからもう間に合わない、浪人しようかな…」
このように思っている受験生も多く存在します。
志望校にもよりますが、まともに勝負する必要がないときもあるのです。
よくある話ですが、受験予定校に新しい入試方式が新設されたことに気づいていない受験生もいます。
過去の受験者の常識を適用すると合格は難しくても、今年は違うかもしれないのです。
もちろん、入試制度など外的な要因に頼るのではなく、自分の努力や工夫次第で何とかなる場合がほとんどです。
勝負する前から、自分は負けると決めつけるの非常にもったいないことです。
8.単純化本能(「世界はひとつの切り口で理解できる」という思い込み)
「〇〇という問題集をやっていれば合格できる」「〇〇という塾に行けばいい」のように、深く考えずに勉強に取り組んでいる受験生も多いです。
受験はそこまで単純ではありません。
「〇〇という問題集をやっていれば合格できる」ではなく、「有名な〇〇という問題集を基幹にしながら、自分は〇〇が苦手だから〇〇という問題集で補強しよう。その上で、実力をチェックするために、〇〇も活用しよう」というように複合的に考えることが欠かせません。
上位層の人たちは、自然とできています。
9.犯人捜し本能(「誰かを責めれば物事が解決する」という思い込み)
「自分の通っている学校は進学校じゃないから…」「親の頭が良くないから…」「担当の先生がハズレだから…」のように誰か他者のせいにする受験生も数多くいます。
誰かを責めたところであなたが合格するわけではないのです。
環境に文句を言う前に、自分の出来ることを増やしていくべきです。
優秀な人はどんな環境でも、その中で最善を尽くそうと、頭を働かせています。
10.焦り本能(「いますぐ手を打たないと大変なことになる」という思い込み)
「模試がE判定だった、すぐに何とかしなければ」のように焦ってしまう受験生がいます。
まずは、深呼吸しましょう。
すぐに何かをやって、急にE判定がA判定になることはありません。
それが出来る人は最初からA判定です。
返却された成績をよく分析することが大切です。そして、日々の学習を補正するのです。
数日ではなく数ヶ月という長期的な視野で勉強を進めているわけですから、1回の模試で抜本的に変える必要はありません。
落ち着いて、じっくりと目の前の勉強に取り組みましょう。
《おまけ》
『FACTFULNESS』で提示されているクイズに挑戦できるwebサイトがあるので、載せておきます。