大学への数学2021年11月号に「ケンブリッジ大学数学科」が登場
月刊「大学への数学」という雑誌には、「読者OBの受験体験記」「読者OGの受験体験記」というコーナーがあります。
昔は「OB登場・私の受験生時代」「OG登場・私の受験生時代」という名称でしたが、2015年度から変更されているようです。
内容は、「大学への数学」の読者だった人の合格体験記です。
学コンマン(学力コンテストの採点などをやっている人)や読者モニター(誌面の参考になるように入試問題を解く中学生や高校生、浪人生)の人が書くことが多いですが、それ以外の人のときもあります。
大多数は、東大、京大、東工大、一橋大、医学部に合格した体験談です。
直近では
2020年7月号-京都大学理学部
2020年8月号-京都大学医学部
2020年9月号-東京工業大学理学院
2020年11月号-順天堂大学医学部
2021年6月号-大阪大学医学部
2021年7月号-京都大学理学部(特色入試)
2021年9月号-東京工業大学工学院
という顔ぶれでした。
そして、2021年11月号は
ケンブリッジ大学数学科
でした。
海外大学がここで登場するのは、記憶にある限り初めてです。
詳細は購入して読んでいただきたいですが、桜蔭高校からケンブリッジ大学に合格したという体験談です。
東大を蹴って、ケンブリッジ大学に進学したようです。
東大を蹴る人なんていないと思われがちですが、毎年何人かいるのです。
東大が公表している資料によると、辞退者は
2003年:13人
2004年:22人
2005年:4人
2006年:8人
2007年:13人
2008年:13人
2009年:17人
2010年:15人
2011年:16人
2012年:13人
2013年:14人
2014年:10人
2015年:13人
2016年:15人
2017年:19人
2018年:12人
2019年:14人
2020年:19人
2021年:9人
となっています。
東大に行かずに海外大学に進学する人が増えているという話がよく話題になりますが、東大の辞退者は意外にも増えていないようです。
東大と海外大学を両方受けるのではなく、海外大学のみを受ける人が多いと推測されます。
ちなみに、東大を蹴っている人の進学先としてよく知られているのは「慶應義塾大学医学部」です。
閑話休題。
この体験談を読んで、ケンブリッジ大学の入試にSTEPという数学の試験があることを知りました。
気になったので過去問を調べてみたところ、以下のwebページに掲載されていました。
STEP past papers を開くと、1998年から2020年までの過去問をダウンロードできます。
解答・解説や講評まで付いていて、日本の大学と比べて、非常に役立ちます。
日本の大学で解答・解説を公表しているところは稀です。
答えのみの解答例や出題意図を公表しているところは数多くありますが、ほとんど意味がありません。(文部科学省に言われたから形だけやっている⁉)
「大学への数学」にケンブリッジ大学が登場するくらいなので、しばらくは東大を蹴って海外大学に進学する流れが加速するのではないでしょうか。
時代は変わっています。
過去の記事もご覧ください。