東京大学は年間の授業料を53万5800円から64万2960円へ値上げしようとしています。
約10万円であれば、東大生なら少しのアルバイトで稼げてしまうはずです。
では、なぜ反対するのか、その背景を考えてみます。
その理由の1つとして、塾や予備校の特待生制度があげられます。
「東大生の親はお金持ちだから、塾や予備校にちゃんと通わせることができて、東大に合格しやすくなる」という意見がありますが、必ずしも正しくありません。
東大に合格するレベルの高校生(もしく浪人生)であれば、格安で塾や予備校を利用することができます。
・予備校の授業は無料で受けられる
・模試も無料で受けられる
・自習室を無料で使える
・教材や参考書を無料でもらえる
という世界です。
ただし、近年は完全に無料というのは難しいようです。
(完全に無料にしてしまうと、合格実績に入れることができなくなってしまうから…)
例えば、東進の数学特待制度では以下のような割引を受けることができます。(東進webページより引用)
①入学金(通常33,000円)→11,000円
②数学通期講座(90分授業×20回ほか)(通常1講座あたり77,000円~)
→年間33,000円(特別受講料:講座数にかかわらず定額)③高速マスター基礎力養成講座「数学計算演習」(通常77,000円)→無料
④担任指導費・模試費(通常最大計56,650円)→無料
こういう環境で勉強してきた東大生からすると、良い教育を格安で享受するのが当たり前になっています。
下のニュースのように貧困な東大生を取り上げた報道が目立ちますが、10万円を払えない人が反対しているというよりは、10万円を払うことができる人も反対しているのが実情です。
「どのくらいの人が払えるんだろう」東大の文系学部4年の女子学生は、友人から東大が最大で年10万円ほどの学費の値上げを検討しているというニュースを伝え聞いて、そう思ったという。
と記事にはありますが、値上げしたとしても授業料が払えなくて退学する学生はほとんどいないと思います。
10万円を用意して「東大生」というブランドにしがみつくはずです。
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