受験百景(予備校講師のブログ)

「受験」や「入試問題」に関係する話、日々の雑感を様々な視点から書きます。備忘録も兼ねていますので、くだらない話もあるかもしれません。

模試の自宅受験にメリットはあるのか?

 

公開会場での実施を中止した模試を「自宅受験」に切り替える動きがあります。

 

そこで、模試を自宅受験することのメリット・デメリットを率直に考えていきます。

 

そもそも模試を受けることのメリットとして、どのようなことがあるのかをいくつか列挙してみます。思いついた順に書いていくので、似たようなものが並ぶかもしれません。

 

・偏差値を見て、自分の学力を把握することができる。

・志望校の中での順位を知ることができる。

・各科目の中で何が苦手なのかが分かる。

・時間制限や緊張がある中でのアウトプットの練習になる。

・模試の問題は良問が多いので、復習することで実力向上につながる。

・記述の解答を第三者に採点してもらえて、どこで減点されるかが分かる。

・東大模試などの冠模試(大学別の模試)は本番の予行練習になる。

・成績優秀者に載ることを目指すなど、モチベーションの維持になる。

・成績が良いと図書カードがもらえたり、特待生になったりする。

 

こんなところでしょうか?

 

「自宅受験」になると、この中のいくつかがなくなることになります。

 

・偏差値を見て、自分の学力を把握することができる。

・志望校の中での順位を知ることができる。

・各科目の中で何が苦手なのかが分かる。

・時間制限や緊張がある中でのアウトプットの練習になる。

・模試の問題は良問が多いので、復習することで実力向上につながる。

・記述の解答を第三者に採点してもらえて、どこで減点されるかが分かる。

・東大模試などの冠模試(大学別の模試)は本番の予行練習になる。

・成績優秀者に載ることを目指すなど、モチベーションの維持になる。

・成績が良いと図書カードがもらえたり、特待生になったりする。

 

 

容易に想像できますが、「自宅受験」では不正をする受験生は出てきます。

 

・時間制限を無視する。

・参考書や問題集で調べながら解答する。

・友達と協力して解く。

・事前に解答を入手して、それを写す。

 

このような行為をして、高得点を目指すのです。

 

人数にもよりますが、データが不正確になってしまいます。

 

また、不正行為をしていなくても、緊張感がない中で解くと、本当の点数とはズレが生じてしまいます。

 

このような理由で、偏差値や順位、合格可能性の判定などは、例年に比べて「参考程度に」と言わざるを得ません。

 

一方で、しっかりと取り組めば

 

・各科目の中で何が苦手なのかが分かる。

・模試の問題は良問が多いので、復習することで実力向上につながる。

・記述の解答を第三者に採点してもらえて、どこで減点されるかが分かる。

 

のように、他の受験生が影響しない部分では有意義に活用することができます。

 

春や夏の時期には、「実力判断」よりも「実力向上」に模試を使うことが大切なので、そういった意味では、自宅受験でも影響は小さいでしょう。

 

模試の結果に一喜一憂することしかできないような受験生は、例年以上に淘汰されることになります。

 

受験の形態によらず、「どうすれば目の前の教材を自分の力に変換することができるのか」を考え抜いた受験生が合格を勝ち取れるのです。

 

 

 

 

 

〈これ以降はあまり大事ではありませんが…〉

 

・成績が良いと図書カードがもらえたり、特待生になったりする。

 

という項目についても考えておきます。

 

これについては情報が入ってこないので、どうなるのか分かりません。

 

仮に自宅受験した模試の成績で特待生になれるのであれば、全力で不正をする人も出てくるでしょう。場合によっては、何十万円も得することができます。

 

(自分が受験生だったら、はじめにきちんと解答したうえで、それをコピーして残してく。その後で、解答を入手する、参考書で調べるなどして、提出する答案は高得点を取れるようにすると思います。これは「偽計業務妨害」になるのでしょうか…)