モンティホール問題 ― 2018年久留米大学・医学部(推薦)
2018年 久留米大学・医学部(推薦)で以下の問題が出題されていました。
「モンティホール問題」という有名問題です。
Wikipediaに記事があるほど有名です。
2枚のAと1枚のジョーカー,合わせて3枚のトランプカードからジョーカーを引くと勝ち,というゲームを行う.ルールは次のとおりである.3枚のカードの絵柄が見えないようにシャッフルして裏返しにして場に並べる.あなたは3枚のカードの中から1枚を選び,そのまま場に裏返したままで置いておく.次に親が残りの2枚を手元にとり,その中からAを1枚表向きにして場に置き,残りの1枚は裏返しにして場に置く.ここであなたは最初に選んだカードと,親が裏返しに置いた1枚を交換することができる.ただし交換はしなくても構わない.最終的にあなたの手元にあるカードがジョーカーであった場合,あなたの勝ちとなる.さて,(a) あなたが最初に選んだカードをそのまま持っていたほうが有利か,(b) 親が裏返しに置いたカードに交換した方が有利か,(c) どちらでも勝つ確率は同じか,理由をつけて答えなさい.
「親が見せたA以外の2枚(Aとジョーカー1枚ずつ)から1枚選んでるんだから,カードを交換してもしなくても勝つ確率は でしょ」と判断してしまう人が多いですが、実はそれが誤りであるというのがこの問題の面白いところです。
結論から言うと、
(b) 親が裏返しに置いたカードに交換した方が有利
が答えです。
解答を書いておきます。
2枚のAをA1、A2、ジョーカーをJとする.
(i) 最初にA1を引いている場合(この確率は )
親はA2を表向きにして場に置く。残りの1枚はJである。
① 交換すると勝つ。
② 交換しないと負ける。
(ii) 最初にA2を引いている場合(この確率は )
親はA1を表向きにして場に置く。残りの1枚はJである。
③ 交換すると勝つ。
④ 交換しないと負ける。
(iii) 最初にJを引いている場合(この確率は )
親はA1とA2のどちらかを表向きにして場に置く。残りの1枚は選ばれなかった方のAである。
⑤ 交換すると負ける。
⑥ 交換しないと勝つ。
以上より、交換して勝つのは①と③の場合で、その確率は である。また、交換して負けるのは⑤の場合で、その確率は である。
よって、(b) 親が裏返しに置いたカードに交換した方が有利である。
以上が標準的な解答ですが、簡単に言い換えると次のようになります。
交換する場合、最初に2枚のAのどちらかを引けば勝ちになる。その確率は である.
交換しない場合、最初にジョーカーを引けば勝ちになる。その確率は である.
パッと納得できない人は、時間をあけてから考え直してみると良いでしょう。
頭を使う練習になります。
〈補足〉
・こちらの本も参考にしてみてください。
・モンティホール問題を遊べるページがありました。