言葉の丸暗記はやめよう ― 2020年慶應義塾湘南藤沢高等部・国語
今回は久しぶりに高校入試問題を取り上げます。
2020年 慶應義塾湘南藤沢高等部・国語 の問題です。
次の①~⑤の( )にあてはまる語を①~③は漢字で、④・⑤はひらがなで書きなさい。また、その語と関係の深いものをあとの語群から選び、それぞれ記号で答えなさい。
①引退の( )を飾る。
②準決勝に勝って優勝に( )をかける。
③お見事、これは( )とられたな。
④酒に酔って( )が回らない。
⑤長年の争いに( )がついた。
ア 柔道
イ 俳句
ウ 落語
エ 将棋
オ 囲碁
カ 雅楽
キ 歌舞伎
時間のある人は考えてみてください。
以下に解答を書きます。
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①引退の( 花道 )を飾る。キ 歌舞伎
歌舞伎劇場において、観客席を縦に貫いて舞台に至る道のことを「花道」と呼びます。引退などの華やかな場面も表し、「花道を飾る」と言います。
②準決勝に勝って優勝に( 王手 )をかける。エ 将棋
将棋で王将を直接攻める手を「王手」と呼びます。勝利を得るまであと一歩の段階も表し、「王手をかける」と言います。
③お見事、これは( 一本 )とられたな。ア 柔道
柔道で完全に技が一つ決まることを「一本」と呼びます。相手をやり込めることも表し、「一本とる」と言います。
④酒に酔って( ろれつ )が回らない。カ 雅楽
雅楽に「呂」(りょ)と「律」(りつ)という音階があり、それを間違えることを「呂律(ろれつ)が回らない」と言います。そこから、言葉がはっきりしないことも「呂律が回らない」と言うようになりました。
⑤長年の争いに( けり )がついた。イ 俳句
助動詞の「けり」で終わる俳句が多いことから、物事の終わりのことを「けり」と呼ぶようになりました。決着をつけることを「けりをつける」や「けりがつく」と言います。
言葉は暗記するだけでなく、その由来にも興味を持ちましょうという学校からのメッセージが伝わってきます。
中学生は国語辞典なども活用しながら勉強していくと良いでしょう。
とはいうものの、④の「呂律が回らない」と「雅楽」が関連しているという知識は少し高度です。手元の国語辞典をいくつか引いてみましたが、このことに言及しているものはありませんでした。
慶應義塾湘南藤沢高等部の過去問は声の教育社などから市販されていないようですが、
学校から直接もらえるようです。請求方法は以下のページをご覧ください。