労働基準法は小学生でも理解できます / 2020年聖光学院中
2020年 聖光学院中学校の入試問題(社会)からです。
「働き方改革」を題材にした問題です。
労働基準法第34条は仕事中の「休憩」について規定しています。そのうちの第1項・第3項を次に示します。これらの規定に違反しない形で休憩を取得、利用できているものを、あとの4人の人物の働き方を表した模式図ア~エの中から1つ選び、記号で答えなさい。
第1項
使用者は、労働時間が6時間を超える場合においては少なくとも45分、8時間を超える場合においては少なくとも1時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。
第3項
使用者は、第1項の休憩時間を自由に利用させなければならない。
4人の働き方について順に考えていきます。
アについて:労働時間が7時間30分、休憩時間が30分です。これは第1項の「労働時間が6時間を超える場合においては少なくとも45分の休憩時間を与えなければならない。」という内容に反します。
イについて:労働時間が5時間、休憩時間が30分で、これは問題のない働き方です。
ウについて:休憩時間とみなされる時間が「昼休み兼業務に関する会議」となっていて、第3項の「使用者は、第1項の休憩時間を自由に利用させなければならない。」という内容に反します。
エについて:労働時間が6時間30分、休憩時間が1時間ですが、第1項の「休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。」という内容に反します。
以上より、正解はイとなります。
小学生でも理解できる「休憩」の話でした。
この程度の内容でさえ理解できない大人もいて、労働基準法を守っていない企業もあることに驚きです。