受験百景(予備校講師のブログ)

「受験」や「入試問題」に関係する話、日々の雑感を様々な視点から書きます。備忘録も兼ねていますので、くだらない話もあるかもしれません。

電気通信大の英語に「東大」「国際教養大」「名古屋商科大」「聖マリアンナ医科大」「北里大」が登場!!

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2017年電気通信大学(前期日程)英語の第1問です。

 

"Most universities offer 'gap year' programs to encourage life experience among students" (訳:大学生の人生経験を充実したものにするための「ギャップイヤー」プログラムを多くの大学が提供している)というタイトルで、2015年7月4日の毎日新聞の記事から引用されています。

 

この文章の中で「東大」が登場していました。その部分を引用させていただきます。

 

Eight first-year University of Tokyo students who had used the gap year policy in the 2014 school year gave presentations at Komaba campus regarding their year-long experiences.

(訳:2014年度にギャップイヤーの政策を利用した東大の8人の1年生は、自分たちの1年間の経験について駒場キャンパスで発表した。)

 

According to the University of Tokyo's gap year policy, students take one year off just after entering in order to volunteer, gain work experience, engage in international exchange, or get involved with other such initiatives outside the university setting.

 (訳:東大のギャップイヤーの政策によると、学生は入学直後に1年の休暇を取得し、大学外で、ボランティア活動をしたり、職業経験を得たり、国際交流に参加したり、その他の率先的な活動に関わったりする。)

 

 「ギャップイヤー」というのは、大学入学後に数ヶ月から1年の休みを取り、その期間を有意義に使おうという制度です。大学での勉強を開始する前に様々な経験をして、それを生かして、日々の勉強を充実させることを狙っています。実際、ギャップイヤーを利用した学生の方が大学での勉強意欲が高いようです。

 

 東大は「FLY Program(初年次長期自主活動プログラム)」という名称でギャップイヤーの制度を設けています。ギャップイヤーに関して、以下のように紹介しています。

 

与えられた問題を解く受験勉強から解放されて、自分たちが生きてきた世界とは違った価値や原理で動く社会を体験し、そのうえで、何のために、何を大学で学ぶかについて深く考えて欲しいと願っています。

 

活動例として


日本語教育ボランティア:カナダの学校教育を体験する

・世界一周の取材旅行:都市を比較分析する

釜石市役所でのインターン:復興とまちづくりを学ぶ

 

というものが紹介されています。ギャップイヤーのイメージが湧くでしょうか。

 

 

詳細はこちらをご覧ください。

www.fly.c.u-tokyo.ac.jp

 

 

 

 

 

 

また、この2017年電気通信大の文章では、東大以外の例も紹介されています。

 

秋田の国際教養大が2008年に、名古屋商科大が2005年に、ギャップイヤーの制度を始めた話が載っています。国際教養大では、4月~8月をギャップイヤーとして過ごし、9月に大学1年生が始まるようです。名古屋商科大では、70日間をヨーロッパで過ごすギャップイヤーを設けているようです。

 

  

ちなみに、この年の電気通信大の第2問では、「聖マリアンナ医科大学」と「北里大学」が登場しています。「アニマルセラピー」の推進に関して、この2校を例として出しています。

 

 

東大に行きたかったが電気通信大を受験することになってしまった受験生は、試験会場でドキッとするのではないでしょうか。。。

 

 

以上、他大学を出し過ぎている2017年電気通信大でした。

 

 

〈参考〉

電気通信大の入試問題は以下のページから閲覧できます。

https://www.uec.ac.jp/admission/ie/exam.html