受験百景(予備校講師のブログ)

「受験」や「入試問題」に関係する話、日々の雑感を様々な視点から書きます。備忘録も兼ねていますので、くだらない話もあるかもしれません。

「句読法まで勉強してね」― 2020年藤田医科大・前期(英語)

 

力学的エネルギー

 

 

2020年 藤田医科大学・前期(英語) の問題です。

  


次の空所に入れるのに最も適当なものを(1)~(4)から1つ選び、その番号をマークしなさい。

 

Mechanical energy can be classified into two types(  )kinetic energy and potential energy.

 

(1) .

(2) ,

(3) :

(4) ;


 

 

非常に珍しい出題です。選択肢が面白い。

 

「句読法」をテーマにした問題です。本棚の文法書を開くと、例えば受験生がよく使っている『ロイヤル英文法』(旺文社)に解説があります。

 

まずは、それぞれの選択肢を順に見ていきます。(今回は『ロイヤル英文法』の記述を参考にさせていただきます)

 

(1)は「終止符」と呼ばれる記号です。次のような使い方ができます。

・平叙文、命令文の文末につける。

・丁寧な依頼を表す文で、疑問符の代わりにつける。

・略語につける。(例:October=Oct.)

 

(2)は「コンマ」と呼ばれる記号です。次のような使い方ができます。

・重文の等位接続詞の前につける。

・二つ以上の語句が並ぶときの区切りにつける。

・同格語句や挿入語句の前後につける。

・従位節が前に出たときに、その節の区切りにつける。

・直接話法の引用部分の区切りにつける。

・非制限用法の関係詞節の前につける。

・付加疑問の前につける。

・文頭の文修飾副詞の次や、分詞構文の区切りにつける。

・文脈から容易にわかる語句を省略したときにつける。

・Yes、Noや感嘆語のあと、呼びかけなどの前か後につける。

・手紙やe-mailの書き出しと結びにつける。

・意味の混乱を避けるためにつける。

・数の1000などの単位を区切るのにつける。

・日付や住所につける。

 

(3)は「コロン」と呼ばれる記号です。次のような使い方ができます。

・具体的な例示の前に「すなわち」の意味で用いる。

・ある節とそれに続く説明的な節の間に置く。

・引用や対話の内容を示す。

・正式な手紙やe-mailの冒頭の敬辞のあとにつける。

・〈as follows〉などの次につける。

・時刻の区切りにつける。

 

(4)はセミコロン」と呼ばれる記号です。次のような使い方ができます。

・2つの文を等位接続詞を用いないで結ぶときにつける。

・接続副詞を用いて結ぶときにつける。

・混乱を防ぐため、コンマよりも大きな区切りであることを示す。

 

 

 

これらの知識を踏まえると、この藤田医科大の問題の答えは、(3)のコロンです。

 

具体的な例示の前に「すなわち」の意味で用いる、という用法に当てはまります。

 

two types の具体例が kinetic energy and potential energy だということです。

 

問題文の意味は、

 

「力学的エネルギーは2つの種類のエネルギー(運動エネルギーと位置エネルギー)に分けることができる。」

 

となります。

 

 

 

 

「受験生はここまで勉強しておいてね」という大学からのメッセージでしょうか。