「鉄緑会 東大数学問題集」を買うベストなタイミングは今かな(?)
「鉄緑会 東大数学問題集」(KADOKAWA)という問題集があります。
問題集と名乗っていますが、「資料集」といった方が正しいかもしれません。
東大の過去問(数学)について、ひたすら解説しているものです。
問題と解答が単に掲載されているわけではなく、「資料篇」として次のような内容も詳解されています。
・東大入試数学の出題形式
・この30年の出題の推移
・内容面の特徴
・総論
・東大入試における基本事項
・分野別出題傾向
・理系における易しい問題
・東大入試頻出分野分析 ー個数の処理・確率ー
・東大入試頻出分野分析 ー図形問題ー
・数学の答案の書き方
・問題別データ
受験生にも指導者にも非常に参考になる内容です。
この「資料篇」の他に、「問題篇」と「解答篇」があります。
年度順に掲載されています。解答は赤本とは比べものにならないくらい質が高いです。
さて、この「鉄緑会 東大数学問題集」ですが、実は2種類あります。
1つは、「鉄緑会東大数学問題集 資料・問題篇/解答篇 1980-2009〔30年分〕」です。
もう1つは、「2020年度用 鉄緑会東大数学問題集 資料・問題篇/解答篇 2010-2019」です。
2つ目の方は毎年更新されていて、近日「2021年度用 鉄緑会東大数学問題集 資料・問題篇/解答篇 2011-2020」が出版されるはずです。
一方で1つ目の方は更新されず、「1980年~2009年」の30年分で固定されています。
このことを踏まえると、今のうちにこの2冊を買っておくのが賢明な買い方です。
「1980年~2009年」と「2010年~2019年」で重複がなくきれいに繋がるからです。
新しいバージョンを買ってしまうと、「1980年~2009年」と「2011年~2020年」となり、2010年の分を見るためには古いものを新たに買う必要が出てきます。
東京大学の入試問題は改変され、他の大学の入試問題として繰り返し出題されることが多い。稀にではあるが、一言一句変わらずに出題されることもある程である。また、東京大学の入試問題を契機に、新しい高校数学の教育課程が導入されたこともあり、東京大学の入試問題は文字通り高校数学教育を牽引してきた。
とはしがきにあるように、東京大学の入試問題を研究しておくことは数学の指導者として必須です。
東京大学の入試問題について解説してある本は他にもいくつかありますが(いずれ紹介します)、「鉄緑会 東大数学問題集」は欠かせない1冊(2冊か?)です。